ジャニーズオタクと付き合ってよかったこと5選 | マイナビニュース
こんな記事がアップされてしまう、つまり、ジャニオタとつきあうことはわざわざ特別なメリットを見出さないといけないような苦痛を伴うことだと世間一般に思われている。ジャニオタはデメリット。君はNEWSの加藤シゲアキという名前を見た瞬間に顔を思い浮かべることができたか? できなくていいよ。NEWSが何人組かも誰がいるかもわからなくていいよ。嵐は?嵐はわかる?大野くんはわかる?大野くんももうみんなわかるの?でも、10年前は誰も知らなかったんだよ。でも、そのことも知らなくていいよ。
10年前には誰も知らなかったアイドルを10年前から応援していたり、あるいはもはや全国民が知っているアイドルの全然チケットがとれないコンサートのために北海道まで飛行機で行ったりすることと、メジャーデビューなんてしないだろうなというバンドの都内のライブに全部通って、あまつさえキャパシティ150のライブハウスまで遠征*4することの何が違うというのか?
君が思い浮かべるジャニオタがキスマイBUSAIKU!?を見て玉森くんをかっこいいと思って好きになって東京ドームのコンサートに黄色のワンピースを着ていって2年後そのことなんて忘れているような人間だとしたら、かつて一緒に好きなバンドがロキノンに載ったことを歓びライブハウスに通ったはずなのに気がついたら連絡が途絶えたTwitterのハンドルネームしか知らない友達の誰かはいったいなんなのか?
ジャニーズJr.はいともたやすく事務所をやめて芸能の世界から去って行く。偏差値70の高校で3年生になったんだからそうだよね。もう大学4年間近だもんね、そうだよね、普通に生きていくより大きいリスクを背負うには、せめて将来ぐらい確約されていたいよね。わかる、ジャニーズにいても未来ないもんね。でも、ジャニーズでいる君が好きだったから、よく知らない事務所で、小さい劇場で舞台に立つ君のことを応援できない。と思う気持ちと、方向性の不一致とか、ひどいときには実家の家業を継ぎますとか、よくわからない理由で続々解散していくバンドをただ眺めることしかできなくて、その後の各メンバーの活動を追ってみるもののいまいちしっくりこなくて、バンドT着てライブハウスから出て、でもやっぱり解散とかしてほしくなかった…とのたまう気持ちの、何が違うというのか?
はしかのように好きになってしまったキラキラ輝くアイドルを、はしかのように好きになってしまったへたくそだけど光るところのあるバンドを、1年経って、2年経って、5年後までついていって応援してしまう人たちは、対象が違ったところで結局同じ人間でしかない。いちばんキラキラしていてほしい、変化して成長して何度も何度も同じことが繰り返されるステージを見る価値がある人でいてほしい、そして今日華やかに回れたあのターンを、今日特に光って聞こえたあのフレーズを追い越す瞬間を見るために、私の視界から消えないでほしい。
きみは白鳥の死体を踏んだことがあるか(下駄で) (文春文庫)
- 作者: 宮藤官九郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
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