2015現場まとめと観客アレルギーの正体について(あるいは凡オタについて)

 今年の現場まとめです。

1月 あっぱ1

2月 大森1、あっぱ1(、ぴろよ1)

3月 伊澤ソロ1、他1

4月 大森1

5月 大森2、あっぱ1、ジャニーズ1、他1

6月 あっぱ1、大森3

7月 ぴろよ3、大森4、ジャニーズ1

8月 ジャニーズ2、大森1、トーフ1

9月 ジャニーズ1

10月 トーフ1、ジャニーズ2

11月 あっぱ1、トーフ1

12月 なし

 

比較すると昨年が16から33に増えました。倍増ですね。

全然行ってない月もあるので、過密な月ペースで行くと100越えになりますね。来年以後は23区に引っ越す予定なので、多少身軽になるかもしれません。

夏の現場と称して、個別にまとめたりしたエントリが以下

 

contrex.hatenablog.com

 

エポックメイキングだと思われる現場各種は

 

・夏のガムシャラVS公演で初日最初の公演にはじめて入るというジャニオタ的なトピック。この公演で作間龍斗くん及び小川優くんハジマタ状態に

・夏、その他の公演で最前列に入る。いろいろとオタク的視野が広がる。

・大森さんの現場に自分比でがっつり通った1年、とくに実験室などではファン層の広がりとともに自分の居場所の置きづらさを感じたりしつつブログをご本人に話題にしていただく(嬉しい)

 

contrex.hatenablog.com

・風 is a Doll?がいろいろとわりと衝撃的で、その後さらに数ヶ月のブランクを経て菊池担復帰

・キスマイドームの直後、ABC座に入ることで、自分のジャニオタ的立ち位置がはっきりした

 ・増田ぴろよさんと縁が深まった感

・トーフ現場にたまに行くようになるも、居づらさを感じる

・あっぱでも居づらさを感じる

 

などです。

 

 私だけが話題にしているわけではないのでわりと感じる人は感じているのだと思いますが、アイドルとか、歌手とかを見に行っているだけなのになぜかその場でマウンティングされているような錯覚に陥り、身動きがとれなくなることが今年は多々ありました。一種の観客アレルギーとも呼べるような状態で、楽しさよりつらい気持ちの方が上回ってしまうから現場に足を運ぶことをためらう場面も。

 これはもう断言すれば私が行く現場に半オタ関係者的な人、もしくは有名オタがはびこっており、半オタ(有名オタ)がいることはともかく半オタ(有名オタ)に取り入ろうとする凡オタの姿を見るのがつらいが、しかし取り入る姿勢を見せない自分はただひとりそこに立ちすくむだけの凡オタにすぎないのだ・・・。という発想が自分の首を絞めているのだと思います。

 ジャニーズの現場は半オタというものが発生しづらく、また有名オタも別にライターとか、デザイナーとか、クリエイターみたいなわけのわからない感じの本業:オタクのような人でなく一般の会社員や学生が多いし、そのうえ規模が大きいので有名オタの定義もそれぞれに違い、「嫌なら見るな」が成立するのであまりそういった観客に対する嫌悪的な意味でのつらさは起こりません。

 ですがまあ、トーフ現場に顕著なことなのですが、界隈に(界隈という単語も使いたくないけど・・・)半分クリエイター、半分会社員みたいな人が大量にいて、評論家気取りだったり友達気取りだったり実際に友人だったりする人がフロアにたくさんいる状況で、そこに取り入ろうと半オタを志望する凡オタがあふれかえり、さらに普通にJ-POP的にトーフビーツを知ったマルチネを知らないいわゆる「ふつうの人(非オタク)」が混在する一種のカオスみたいなものがまだ400〜500人規模で起こりうるんですね。

 すると、半オタ志望でもないけれど非オタでもないメジャーデビュー前に認知してなんとなく曲を聞いてる程度のファンこと凡オタ的私みたいなものの居場所がめちゃくちゃ少なくなるんですよね・・・

 これ、別に誰に改善できる話でもないですよね。演者側も関係者や友人を排斥する理由もないし、新規のファンは当然歓迎されるべきだし、自分の友人に付け入ろうとして友達ヅラをする奴の管理までする義務なんて当然ないからです。「会社の人」的立ち位置にいる人には一番扱いづらい問題だろうし。

 そしてなにより本来居心地のいいはずの、観客の顔が見渡せる中規模キャパの会場が、誰かひとりを糾弾できないが「嫌なら見るな」が通用しないなんとも言い難い規模感を演出してしまっていることがつらいですね。

 こうなってくると問題とされるべきはもはや当事者的半オタ志望者の根底にある有名人コンプレックス、都会コンプレックスの解消ですが、そうやってつまらない他人の人生に夢も体も費やす必要は誰にもないわけで・・・。

 

 結果として現場へのモチベーションが下がり、下半期に明らかなる失速を迎えてしましましたが、しかし私はまあ打つ手がないです。開演ギリギリに会場にすべりこみ、終演後は一刻も早く帰宅する他には。

 今後は23区に住むのである程度低下するモチベーションと費やすコストのバランスをとりつつ、さらにジャニオタ的にもエンジンをかけ楽しい凡オタライフを送っていきたいと思います。

 直近の現場は年明けにジャニーズワールドからスタートです。くるった世界で踊る小川優くんの活躍を楽しみに今年を締めたいと思います。

 お会いしていただいた皆様、今年ご縁が深まった皆様には大変感謝しております。来年以降もまたご迷惑をおかけしますが、宜しくお願いします。成人したのでお酒も飲みましょう。

 また別エントリで今年は振り返るかもしれませんがひとまず良いお年を☆

夏の終わり

「夏の現場」でひとくくりにしていいのがどこからどこまでか迷いますが、そろそろえび座も始まってしまうのでとりあえずクリエからキスマイドーム公演までのざっくりざっくり振り返り。迷ったんですがジャニーズとほかをまぜてみます。

 

5/25 シアタークリエ『ジャニーズ銀座2015』 H公演

初クリエ。当ててくれた友達ありがとう。

Hのくくりのメンバーは普段から一緒に活動してます!ってわけでもなく、旧高田ライン的なにおいも残りつつ新規のメンバーもいつつ、って感じでゆるふわしていた。

後藤ひろみはポップな存在だった。想定していなかったダブルアンコールに応えるために出てくるとき、一回ジャージになっちゃったから…ってシャツの裾をズボンに入れながら現れたけど、それがセクシャルな意味での歓声をひきおこさないのは彼がとてもポップだからだと思った。ファン!的な濃い存在がそんなにいないからでもあるけど、それを受け容れるだけの体制が他の人にも整っている。

あえて言うなら岸孝良くんを観に行ったのですが、私が好きになった2013年くらいのころのなんにもできないけど高身長だからとりあえずこのラインに、的な雰囲気は薄くなっていた。SHOCKってすごい。あとすごいこの人変わってるなーというか、普通過ぎてジャニーズの文脈からういてるよなあ。と思った。でもMovin'onを踊って、Harmony of Decemberでキーボードを弾いて、みゅうとと小川くんと絡んで、って場面を見ているとこの人はたしかにジャニーズで、この人をきちんと受け容れて立ち位置を用意してくれるジャニーズという場所は意外と懐が広くて深いいいところなのではないのかなーなどと思ったりしていた。言ったじゃないか〜明日へのYELL〜Ho!サマー〜LIFEの流れ、楽しすぎてすごい。

この公演で思ったのだけど安井くんって背負いすぎているひとだ。そのままそこにいてくれるだけであなたのファンは嬉しいのではないだろうか、とも思いつつ、BAD DREAMは圧巻。

岸くん安井くんひろみ、がいたちょっとおかしな公演ですごく考えたのはデビュー含めたジャニーズJr.の未来の事だった。

 

5/27 NewAction! 新宿Marz

Marzレギュラーパーティ。パリピってこういうことかー!感。テキーラショットにおびえる。LUCKYTAPESは良い、1年ぶりにみたSuchmosはすごく悪い意味でなにも変わっていなかったが、それが受け容れられわりと評判のいい感じのあるこの界隈こわい。。。

 

5/30 渋谷The GAME

もはやイベントの名前すらおぼえていないのですがあっぱみにいきました。。。これすごかったないろいろ。ちょっと音が大きすぎてびっくりした記憶。帰りに肉横丁いけたの楽しかったです。そのとき来た地震にけっこうびっくり。

 

6/3 あっぱワンマン 代官山LOOP

椅子出てて事故現場だった。下半身長かったなあ…

このときだけでなく前後から思っているけど、2012くらいの違和感あるかんじがとれてあっぱというものは続くものだ!という確信をもってライブいけているのは大きいことな気がします。いつからだと聞かれると2014年3月の時点、9月の江古田のワンマンの時点ではまだおっ!?と思うときもあったので時間すげー!というかんじです。

 

6/6 ねもしゅーせいこ『夏果て、幸せの果て』東京芸術劇場シアターイース

初根本宗子。「私の嫌いな女の名前、全部貴女に教えてあげる。」が周囲で異常なほど評判が良かったにも関わらず初。結果としてこれ大森さん出演者になる必要あるのか?とすごい思ったのですが界隈では評判よかった気もします…この後も根本さんみたけどんー?という感じだったので私は合わないのかなー。

 

6/7 ピエールフェス TOKYO DOME CITY HALL

二日連続大森さんみに。このライブすごいよかったのですがYouTubeあがってるのでそれをみたほうが早い気がする。

春の公園が曲としてきちんと成り立っていることがすごいよいなー!よいなー!と思いながらみていました。これ映像あがったときにほかの曲切ったりしてるのに春の公園ががっつり残っていて二宮さんに対する信頼の増幅をかんじた。自分の。


大森靖子 @TOKYO DOME CITY HALL 2015年6月7日 ...

清竜人25みてすっかり第一夫人好き好きマンに。かまってちゃんも初見。あとは記憶なし!特筆すべきこともなし!

あ、竜人25みてたらチェキ枯れたことへのかなしみがすごさ。

 

6/22 大森靖子の続・実験室vol.12〜人のセッショクを笑うな〜

オタクいろんなひとがいた。

 

7/7・8 増田ぴろよpresents『若草物語〜呪いの女系家族に生まれて〜』新宿眼科画廊地下

今年おそらくベスト現場。行く予定なかったというか、Nippon ROCKS観覧当てたのに譲ってわざわざ二日目も行った。言語化は無理というかインターネットにはなにも残せない。ひとつ言うならぴろよさんが男性を見ている目線と自分が男性を見ている目線がかなり近似したものであるという思い込みでずいぶん具合と居所が悪くなった。美貴ヲさんの脚本がすばらしく、女優さんが噛んだりしたところはきちんと違和感になっていた。きちんとした稽古とかのあるまじめな演劇をみてすごいすかっとした気分になりました。男の人はダメ!

 

7/14 大森靖子『マジックミラー』6部制リリースイベント 新宿LOFT

4部から参加。運良く全回とても番号がよく。どんどんどんどん曲が濃く、表現が厚くなっていく過程を見れる事のすばらしさ。6部すごいよかったなーと思います。同時にLOFTもういいのでは…とも思いました。

 

7/15 『マジックミラー』発売記念インストア TOWER RECORD新宿

まいぷにぷにぷにさっちゃーん。

なんかいろいろ具合悪い。

 

7/19 『ヒャダインpresents ガルポプ!夏の大感謝祭2015』公開収録 ベルサール秋葉原

大森さん見に。誘っていただきました。ありがとう!

3曲だけだったんだけど本当全曲いい。ミッドナイト、絶対少女、マジックミラー。

この日娘'15もいたのでそのお客さんがすごく多くて、だからたぶんミッドナイトを最初にやったんだろうなーと思うのですが、しばらくなかったアウェイ!というところで聞く大森さんは本当に尊い存在であるし、正しくお母さんで、もう登場したときからぼろぼろぼろぼろ泣いていた。間違いなく登場した誰よりとうとかった…。女子流4人ショックとかもありましたが…。

放送はマジックミラーのみですが、語弊をおそれず言うならその前の2曲はあまりに素晴らしかった。あんなに優しい絶対彼女を聞いた事がなかったし、今後ももしかしたら聞けないのかもしれません。

 

7/23 ガムシャラ!サマーステーション VS公演 我vs覇 EX THEATER ROPPONGI

意図せずチケットとれたのがVS初日の昼という超初日っぷり。一年ぶりの六本木。

待機列からすら、クリエとは違う異様さ。来たぜJr現場!ルート17でおっサマリーか!?と思ったけど全然そんなことなかったね

覇のOneLoveをみてとうとい・・・とうとい・・・とうとい・・・と思い続けたし、やすあらのHair見てセクシーの方向性と男子高校生のやばさについてめちゃめちゃ考えた。思えば私が好きになったふうまくんとあらんちゃんは今同い年な訳で!すごい世の中やで・・・聡マリソロ、とてもよかった。

夜空ノムコウでペンライト演出があったのですが、Jr主導だと高まりしかなくてキスマイ現場でペンラ演出にすら嫌気がさしたのは一体なんだったのかと。。。

なんかすごい夏!たのしい!たのしい!の先にパフォーマンスでエモまで用意していただけたしほんとジャニーズ好きな限り夏の事ずっとすきだよ〜〜〜〜な公演でした。

あとクリエに比べて安井くん背負い過ぎだ!って思わなくなった覇効果すごいし、ちゃんと後半日程にさなじい用意してくれる事務所そういうとこ愛してるよ〜〜〜

 

7/28 『私の可愛さと可哀想さで、少しだけ世界が変えられたらいいのに』新宿眼科画廊

根本さん合わねー!をすごい感じたし決定的にした公演。そもそも二十日前に見た美貴ヲさんの劇がすごいよくて通ってしまったのに、同じことをモチーフにしたはずの作品がこうなるのかー!なるほどー!ダメなのは大森さんが演劇しているという事実とかではなく根本さんなのだなー!合わない!と思ったのですぐ帰りました。

 

7/30 大森靖子の続・実験室vol.13〜1周年記念感謝祭〜

すごい近かった!セッショク前後から前にも増して会話がゆるくなっている。座っての弾き語りもすごくよくてよい。

 

8/2 MaltineRecords『天』代官山UNIT

4年ぐらいためこんだエモさがすごい勢いで爆発して収縮していった。tofubeatsの「なんの曲か判んない奴はTwitterでもやってろ!」が最高最高最高最高最高でどうしたらいいのかわからない。ずっと好きでいたなーという思いの振り返りができたしそういうことをさせてくれるマルチネが好き。口座番号のことなんてもう覚えてないからお願いだから同じのもう一回やってよ!と思っている今も。オノマトペ大臣が出演してくれてよかった。ハピマテが聞けてよかった。

 

8/4 SexyZone&A.B.C.-Z SummerParadise in TDC『風  is a doll?』TOKYO DOME CITY HALL

直前あたりにチケット譲っていただいたらその後バックが発表されて高騰した。おさえてよかった。行ってよかった。コンサートだと年計ベストだと思う。

この人は本当にジャニーズが好きで、しかもきちんと理解したうえでソロコンサートに友達をたくさん呼んで、信頼して「お仕事」としてまかせたうえで踊ってもらったり一緒にしゃべってもらったりしていた。紙に書けるセットリストと違って演出はそのとき次第な面があって書かれても見なくてはわからない。間合いをつめて、退屈しないで、楽しい瞬間で埋め尽くされていて素晴らしいコンサートだった。

LuckyManやってSUMMARYもやって、rougeが聞けるコンサートが素晴らしくないはずがないんだけど、でもその瞬間には曲の良さとかをすべて超えていた。ただエモーショナルな夏があって、そのときにしか感じられないことがあることを風磨くんが教えてくれた。ありがとうございました。いいもんみれたなー!って感動のままおうちに帰れるうれしさ。

 

8/24  SexyZone&A.B.C.-Z SummerParadise in TDC『Ha"ss"y★Concert』TOKYO DOME CITY HALL

ソ、ソロコンってこんなにも違うの!?これを見た事により私ふうまくん好きなんだなー!がすごく際立ちました。

衣装替えが少なくて寂しかったなー。通路を通るはっしーが細すぎてこわかったです。。。

 

8/26 大森靖子の続・実験室vol.14 小さな小さなお別れ会〜一生一緒においしいエビフライ食べようって言ったじゃん!〜

もうかなりおなかも大きく、なんかほんとぐだーっとしたおしゃべりをしているだけなんだけどすごい幸せな空間でした。この日のライブ、目線がきっちり合う位置ということもあったのだろうけど本当に完璧、というか、おなかの大きい人が振り絞るでもなくただきちんと伝えようとした、言い方を悪くすればそれだけのライブを、ここまで高いクオリティでやれるのだ…という感動と、これを見てなおどうしようもないいろんなライブには行けないな、というあきらめを得てしまうすばらしさでした。最高です。

 

9/18 Kis-my-ft-2『Kis-my-World』東京ドーム

アルバム一回も聞いてない状態で行きましたがああ、うん…って感じでしたね!決定的だったのはきっとサマステではちょうたのしかったペンライト演出がやらされてる感満載でなんでそこまでキスマイに指示されなきゃいけないの?と思っちゃった事でしょうか。かげやまくんとちだくんかっこよかったー。思想とかコンセプトとかなにもなくてただ並べられた曲をそのとおりパフォーマンスしていただけで…風 is?ってまじ練られたものだったのだなーと泣いた。

猫派なので

わたしに依存してる女の子が一人いて、最近までは依存してる割に忠誠心が足りないことに怒っていたのですが、最近、忠誠心が増してきてとうとうなんか忠犬みたいになってしまって、私が言ったのが「わたし犬きらいなんだよね…」だったのは少しやばいかなと思います

理想的には依存しないでほしいです

おわり

暮らしとわたしとあなたがアイドル

 髪はのびる、爪ものびる、定期は切れる、Suicaの残金が足りなくて改札から出られない。ICカードへのチャージをいくらぶんすればいいのかいつも迷う。「いずれ使う」にまわす余裕が、自分にどのくらいあるのかを考える。

 
 排水溝に髪の毛が詰まる。台所にあるスポンジにまだ泡が残っている。洗濯機をすすぎ1回モードにしてまわす、ハンガーの数が足らないから買いに行かなくてはならない。昨日の朝だしわすれたゴミを、今度何曜日に出せばいいのか考える。
 
 生活・生活・暮らし。やりたいことの前には必ずやらなければならないことが立ちはだかっている。そしてわたしたちは(ともだちじゃない)他の人がやらなければならないからやったことなんか知らない。知っているのは、好きな色、誕生日、血液型、あと使っている携帯の機種とか、よく使っているかばんとか。君の住んでいる街の燃えないゴミの日を教えてよ、知らなくても全然いいけど。
 
 アイドルとともだちになれない。アイドルのことを知らない。べつに、アイドルとはステージに上がって歌って踊ってキラキラしている人のことだけじゃない。たとえば朝いつもの電車で隣に座るあの子とか、もぐりこんだ知らない授業で1回だけ見かけたことのあるあの子とか。もちろん、ステージの上にいてもいい。テレビでだけしか見れないようなトップアイドルでもいい、昨日行ったコンサートでステージの端でだけど目を離せないほどに輝いていたあの子でもいい。ただ、わたしたちは知らない。知らないことが、あの子をアイドルにする。わたしと、あの子を隔てているのは、わたしが、あの子を知らないこと。関係性に比して過剰な思い入れこそが、わたしの持つ執着が、あの子をアイドルにする。
 
 電車に乗ってやってきたコンサート会場に、でもいい。歩いてやってきた駅に、でも、わたしが来るのだから、あの子もまた「来て」いるのだ。暮らしのなかからいまここに、「来て」いる。
 
 その前に、彼女が定期券を更新するためにいつもよりすこし早く家を出たとか、寝坊しそうになってあわててスヌーズを止めたとか、5分遅れたのは乗換駅で人身事故があったからだとか、そんなことを、わたしたちはつゆほども知らない。知らない誰かのありふれた日常と、地続きにあるはずの今を、わたしたちは非日常としてとらえる。いま目の前にいるあの子と、わたしの頭の中で生きているあの子は、厳密に言うとすこし違うのだろう。あの子は今朝恋人のいるベッドからぬけだしていまここにいるのかもしれないけれど、わたしの頭の中で生きている彼女はそんなこと絶対にしないのだから。
 
 実在と非実在の境目は、こうしてみると非常にあいまいだ。いつもの駅のいつもの位置に立っていることも、あるいはテレビの中で笑顔をふりまいていることも、当人からすればそれは生活・暮らしと地続きになった瞬間だ。けれど、切り取られたある時間しか見ていないわたしたちは、そこからすぐ先に日常があることをいつも忘れてしまう。彼女たちは当たり前に人間で、そしてわたしのなかでは人間ではないのだ。ただ、フィギュアでもなければ絵の中の人物でもない、実在の人物として非実在なのだ。
 
 しばしばアイドルファンはスキャンダル記事を見てがっかりしたり、失望したりする。それはつまり、知らなければなかったのとほとんどまったく一緒だったできごとが、知ったことによって事実としてそこにたちのぼってしまうのが悲しいのだ。本当の彼女が浴槽の水あかをこすっている時間にも、わたしたちは彼女がカフェでパフェでもつついているような時間を想像している。想像することさえ許されていればいいのだ、想像の余地があれば、実際になにをしていたかなど、実のところもはやどうでもいいのだ。ただ、わたしのなかに彼女が生きていさえすれば。
 
 知らない・知らない・知らないわたしたちは想像をふくらませる。ただ、その余地だけが奪われないように、いまも必死に想像している。
 
 

上半期現場まとめ

1/20 あっぱワンマン 渋谷La.mama

2/5 炎上BOYS 変態少年×変態少女 どついたるねん大森靖子ツーマン 渋谷WWW
2/11 MUSIC HOURS(あっぱ) 代官山LOOP

3/3 パラシュートPIANOセッション 渡辺シュンスケ×伊澤一葉×世武裕子 青山月見ル君想フ
3/7 ラブリーサマーちゃんと芳川よしの「よしよし、サマー!」リリースパーティー 渋谷2.5d

4/3 あっぱワンマンvol.38 渋谷TSUTAYA O-nest
4/26 大森靖子爆裂!ナナちゃんとイくラブラブ洗脳ツアーファイナル中野サンプラザ

5/12 大森靖子&THEピンクトカレフトカレフ」発売記念ワンマンGIG 新宿LOFT
5/25 ジャニーズ銀座チームH シアタークリエ
5/27 NewAction! 新宿MARZ
5/30 あっぱ 渋谷THE GAME

6/3 APPA NO PIANO ONE MAN SHOW 代官山LOOP
6/6 ねもしゅーせいこ「夏果て 幸せの果て」 池袋東京芸術劇場シアターイース
6/7 ピエールフェス TOKYO DOME CITY HALL
6/22 大森靖子の続・実験室vol.12〜人のセッショクを笑うな〜 新宿ロフトプラスワン

記録ある範囲で16現場、お疲れ様でした。

内訳
あっぱ、伊澤さん関連:6
ジャニーズ:1
その他:2

下半期すでに10現場程度あるのでおそらく増えます、現場でよろしくお願いします。